あたまにおちてくることばを。

                   
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母が死んだとき/詩



最後に持っていたのは
最後に手に持っていたのは受話器だった

誰かの声が聞きたくて
あったまりたくて
わからなくなりたくて
何かをあげたくて
欲しくて
どっちかわからなくて
あげたり
もらおうとしたり
だけどやっぱりあげたかった
そして欲しかった
誰にもわからないやり方でそれをしようとしたら
どんどんこんがらがっていき
娘がそれをほぐそうとして私を傷つけ
私は娘を恨んで泣いて
娘が私に抱きついて泣いて
私のお母さんでいてよ、
と言い
私は自分が誰かわからなくなりそうになったが、
娘の母親にやはりなることにして
娘を憎みながらも愛することにして
娘に引きずられながら外に出て散歩をした

涙の跡を頬にくっつけた娘は
私のことをお母さんと呼び
私は娘の母親であり
娘に野菜をかってやり、
娘は私におむすびを作ってくれた

私は旅に出た
3日して娘がつくったおむすびを取り出して食べた
かたく冷たくなった玄米は塩が効いていて、
ほのかに紫蘇の味がして、
梅が出てきて、
涙がでてきた

おいしくて、涙が、でました、

と娘にメールを送った
私はさらに遠くへ旅に出ることになった

私が本当に最後に持っていたのは、

娘が買ってくれた、
娘にかってやったのとお揃いの、
手織りの、
黄色や、
緑や、
水いろが混じった、
色鮮やかな、
ショールだった







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